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技術ブログ
「フッ素樹脂」と聞くと、ひとつの決まった樹脂を想像されるかもしれません。しかし実際には、PTFE、PFA、FEP、ETFE、PVDFなど、複数の樹脂の総称です。共通しているのは、分子の中にふっ素原子を多く含むことです。ふっ素原子は炭素原子との結びつきが強く、C-F結合はおよそ486kJ/molと、一般的なC-H結合の約417kJ/molより強いとされます。この強い結合が、耐薬品性、耐熱性、電気絶縁性、難付着性といった特徴の土台になります。
フッ素樹脂の7つの機能
代表格であるPTFEは、融点が約327℃、連続使用温度の目安は260℃程度です。
PFAもPTFEに近い特性を持ちながら、溶融成形ができるため、複雑形状部品や半導体関連部品にも使われます。
FEPは耐熱性ではPTFEやPFAよりやや低く、連続使用温度は約200℃が目安ですが、フィルムやライニングに向きます。
ETFEは連続使用温度が約150℃程度とされる一方、機械的強度に優れ、電線被覆やフィルム用途で力を発揮します。
コーティングの現場では、「フッ素樹脂なら何でも同じ」と考えると失敗します。使用温度、使われる薬品の極性や濃度、摩耗性、膜厚、基材材質、食品接触の有無、電気特性などを見て、材料と工法を組み合わせて選定する必要があります。 たとえば、すべり性や難付着性を重視するならPTFE系、複雑な形状や高純度環境を重視するならPFA系、機械強度やフィルム性を重視するならETFEやPVDFも候補になります。
つまり、フッ素樹脂コーティングとは「フッ素樹脂塗料を塗る作業」ではなく、目的に合わせて樹脂・下地処理・プライマー・焼成条件を設計する表面処理技術です。
機能材料としてのフッ素樹脂を正しく選ぶことが、長く安定して使えるコーティングへの第一歩になります。