TEL:049-225-4321
FAX:049-223-1009
技術ブログ
化学プラントでは、酸、アルカリ、有機溶剤、蒸気、高温水など、金属にとって厳しい環境が多く存在します。タンク、配管、バルブ、撹拌機、トレイ、継手などの部品は、腐食によって漏れ、汚染、停止、交換コストを招きます。フッ素樹脂コーティングやライニングは、こうした腐食リスクを低減する有効な手段です。
コーティングとライニングはどちらも基材の表面に膜を形成する技術ですが、膜厚が最大の違いです。
一般的に、コーティングは薄膜で加工が容易かつコストが低く、ライニングは厚膜でピンホールが発生しにくく耐久性に優れます。
※樹脂ライニング業界では250μm以上の厚膜をライニングと呼ぶことがあります。
耐食用途でよく検討されるフッ素樹脂の種類は、PTFE、PFA、FEPです。PTFEやPFAは耐薬品性に優れ、強酸や強アルカリの多くに対して安定です。PFAは溶融成形が可能で、複雑形状や厚膜化に対応しやすい場面があります。FEPは耐熱性ではやや劣りますが、成形性やフィルム性を活かした用途に向きます。
化学プラントで重要なのは、使用温度と濃度です。同じ硫酸でも、濃度、温度、水分、酸化性物質の有無によって腐食性は大きく変わります。また、常時浸漬なのか、飛沫接触なのか、洗浄時だけ接触するのかでも仕様は異なります。連続使用温度の目安としてPTFEやPFAは約260℃とされますが、コーティングでは基材や膜構造も含めて評価する必要があります。
耐食性を高めるためには膜厚が重要ですが、厚膜ほど熱応力やピンホール管理が難しくなります。タンクや配管では、ライニングによって厚い樹脂層(数百μm以上)を形成する方法もあります。ライニングは耐食性に優れる一方、形状や施工条件、コストの制約があります。コーティングも数十μmほどの薄膜で加工することが多いのですが、数百μmの厚膜を施工することも可能です。
コーティングとライニングとが競合するわけではなく、用途や目的によって使い分けるものです。
化学プラントのコーティング仕様を決める際は、薬名だけでなく、温度、濃度、圧力、洗浄条件、想定寿命、検査方法を整理することが第一歩です。腐食を防ぐ表面技術は、設備の安全と稼働率を支える重要な設計要素です。
フロロコートは、化学プラントのどのような箇所や環境で使われるか?を丁寧にお聴きしたうえで、フッ素樹脂コーティングの適用可否と適用可能な場合の適切な仕様について提案することができます。
ぜひお問い合わせください。