TEL:049-225-4321
FAX:049-223-1009
技術ブログ
フッ素樹脂コーティングを検討する際、「膜厚は厚ければ厚いほど良い」と考えられることがあります。確かに、耐食性や耐摩耗性を高めるために厚膜が必要な場合はあります。
しかし、フッ素樹脂コーティングでは、膜厚が厚すぎると逆に問題が出ることもあります。肝要なのは、用途に合った膜厚を安定して管理することです。
フッ素樹脂コーティングにおいて、数十μm程度の膜を「薄膜」と呼んでいますが、この薄膜のコーティングは、難付着性、すべり性、撥水・撥油性を付与する用途に向きます。
数十μm程度の膜でも、表面機能を発揮できる場合があります。膜が薄いと寸法変化が小さく、精密部品にも使いやすくなります。
ただし、ピンホールや摩耗で基材が露出しやすいため、強い薬品や長期耐食用途では注意が必要です。
反対に、100μm以上の膜を「厚膜」と呼ぶことがありますが、この厚膜のコーティングは、薬液接触部品や耐食用途で有利です。
数百μmの膜や時にはmm単位の膜を設計する場合もあります。厚膜は薬品の浸透距離を稼げる一方で、焼成時の収縮、熱膨張差、角部の膜厚ムラ、ピンホールレスの仕上がりなど、管理が難しくなります。特に、ねじ部、細穴、鋭角部では膜厚が不足したり、逆に溜まりができたりします。
膜厚は測定方法も重要です。金属基材上では電磁式や渦電流式の膜厚計が使われますが、曲面、小物、エッジ部では測定値が安定しないことがあります。断面観察や塗装前後での重量変化と組み合わせる場合もあります。膜厚仕様を決める際には、「平均膜厚」だけでなく「最小膜厚」「許容範囲」「測定位置」を明確にする必要があります。
膜厚管理の基本
寸法精度が厳しい部品では、膜厚が数μm違うだけで組付けに影響することもあります。
逆に、耐食部品では膜厚不足が寿命を著しく縮めることもあります。
膜厚は性能、寸法、コスト、歩留まりをつなぐ重要な管理項目です。
「可能な限りコーティング膜を厚くしてください」ではなく、「何を守るために何μm必要か」をコーターと一緒に定めることが、用途に合致した適切なコーティング膜の設計と提供につながります。
フロロコートは、丁寧にご使用目的をお聴きしたうえで、適切な膜厚、仕様、検査項目を提案することができます。
ぜひお問い合わせください。