フッ素樹脂コーティングCOATING

Home > フッ素樹脂コーティングをもっと知りたい

フッ素樹脂とは フッ素樹脂コーティングとは フッ素樹脂コーティング膜の特性比較表

 

フッ素樹脂とは

 

フッ素樹脂は、蛍石に多く含まれるフッ素元素(F)と炭素鎖からなる熱可塑性ポリマーです。
1938年、PTFE(ポリテトラフロロエチレン)が発見されて以来、数種類のフッ素樹脂が開発されています。

フッ素樹脂の多くは、

 

(1)難付着性
(2)耐熱性
(3)すべり性
(4)耐薬品性
(5)はっ水・はつ油性
(6)耐摩耗性
(7)電気特性

 

などの優れた特性を兼ね備えた素材として、コーティング、成形品、フィルム、建築材料などに広く用いられています。

 

コーティング材としては、基材の特徴を生かしつつ、表面に新たな機能を付与したり、高価なフッ素樹脂を効率よく活用したりするために水性・溶剤性・粉体の塗料が数多く作られています。

 

フッ素樹脂塗料の性質を正しく知り、コーティング膜を十分に機能させるための確かな選択と加工技術により、目的にふさわしい高機能コーティング膜を提供することができます。

 

フッ素樹脂コーティングは家庭用品から宇宙産業までさまざまな分野で省力化や自動化あるいは地球環境を守るために、大きな役割を果たしています。

 

フッ素樹脂コーティングとは

 

フッ素樹脂コーティングは、フッ素コート(フッ素コート、フッソコート)、フッ素加工(フッ素加工、フッソ加工)、テフロン®加工といったように、様々に表現されています。それぞれの処理に使われている塗料や材料により分類してみると、下図のようになります。

 

図:フッ素樹脂塗料等による分類

 

上図のうち、フッ素樹脂塗料系と変性フッ素樹脂塗料系は前述した9種類のフッ素樹脂のいずれかを含んでいます。これらの塗料により作られる塗膜はフッ素 樹脂の持ついくつかの特性(耐熱性、難付着性、滑り性、耐薬品性)を生かした機能性塗膜として、厨房用品、家電品、OA機器、自動車、半導体製造装置、液 晶製造装置、各種めっき治具等、様々な分野で省力化、自動化に大きな役割を果しています。

 

また、ほとんどの薬品に溶けないフッ素樹脂に溶剤可溶型フッ素樹脂塗料系とは少しおかしいのですが、分子中にアルキル基などを入れることによって、各種 溶剤に溶けるフッ素樹脂を主成分とした超耐候性塗料として基材の保護と美粧を目的に、自動車、建物、橋梁などの塗装に使われています。

 

最後に、よく虫歯予防に使われている「フッソ」はフッ素化合物(正確にはフッ化ナトリウムの水溶液)ですが、これは「フッ素樹脂」ではありません。

 

これらのことから、「フッ素樹脂コーティング」と呼ぶのに適切な範囲は、フッ素樹脂の共通した特性(耐熱性、難付着性、滑り性、耐薬品性)を発現しているフッ素樹脂塗料系と変性フッ素樹脂塗料系ではないかと思われます。

 

※フッ素コート(フッ素コート、フッソコート)、フッ素加工(フッ素加工、フッソ加工)といった表現は、幅広く使用されており、上記の内容を紛らわしくし ています。フッ素樹脂に誤った認識を持たれている方や目的にふさわしくない「フッ素コート」を採用し、トラブルを発生させることも少なくありませんので、 十分注意して下さい。

 

※テフロン®は米国デュポン社の登録商標です。

 

参考文献:
後閑昭男,「フッ素樹脂コーティング」,防錆管理,Vol.48,No.3,2004別冊 より抜粋、編集

 

フッ素樹脂コーティング膜の特性比較表






 性質
コーティング材
PTFE
塗料系
PFA
塗料系
FEP
塗料系
ETFE
塗料系
ECTFE
塗料系
フッ素ゴム塗料系
変性塗料系
EPOXY
PAI
PES
水性
水性
粉体
水性
粉体
粉体
粉体
水性・溶剤性
水性・溶剤性
最高使用
耐熱温度(℃)
連続
260



288
260
260
204
204
150
150
230
150
218



260
250
断続
316
310
310
232
232
180
170
300
163
232



288
288
標準焼成温度
380



427
380
380
380
380
300
260
100



350
180



260
280



345
380
鉛筆
引っかき値
常温
HB



H
H
H
F



H
B



HB
6H
6H
H
2H



3H
H



2H
H



2H


150℃


F
2B
2B
3B
3B
6B
6B
6B以下
3B
H
H
接触角
水(度)
104



111
100



110
100



110
95



105
95



105
96
99
110
85以上
90以上
90以上
摩擦係数

静(1kg荷重)


0.12
0.12
0.12
0.12
0.12
0.2
0.15
0.10
0.12
0.12
0.12

動(1kg荷重)


0.08
0.08
0.08
0.08
0.08
0.21
0.65
0.13
0.11
0.10
0.10
テーバー摩耗値

(mg/1000回転)
8



11
21



26
14
33



39
13



16
9.4
8.4
4



25
25



35
12



20
30



50